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リチャード・バックマンと言う名前で数々の本を出しているスティーブン・キング。この『ハイスクール・パニック』もバックマン名義。内容は、虐げられた高校生が学校で銃の乱射、そして射殺されるまでの話。書いたのは1977年だから、コロンバインのあの事件よりもずーっと前。でも、キングは、自分の本をなぞったような事件が発生したことに心を痛め、この本の絶版を決めた。今後、この本が出版されることはない。
　私がこの和訳を読んだのは1988年。すでに20年が経っているので、内容をしっかり覚えていないが、私は持っているぞって威張りながら、興味本位でもう一度読もうとしている。もっとも、在庫分はまだ本屋で売っているのだが。1989年に出されたジョージ・ビームの『必携スティーブン・キング読本』では、人物造形に深みがなく、完成度も低いとしているが、その後、世の中で起きた事件の予言的な意味を持っていると思う。